ライター、ワインエキスパート【冨永真奈美】

MY VIEWS

数字は正直である―法人化すること、消費税課税事業者となること

ビジネスの成長

長すぎるひとりごと

目の前に決算書のファイルがずらりと並んでいる。ある種、10数巻からなる自分史のようにも感じる。図書館に置かれている地方史や郷土史のようなもので、誰も特に読まないし借りないような文書だが、私には大切なものだ。

職種、業界、事業規模にもよると思うが、多くの自営業者は2つの指標を漠然とではあれ意識するように思う。1つ目は事業を法人化すること、2つ目は消費税課税事業者となることだ。資本金額の最低要件は撤廃されたものの、時期や状況を見計らってから法人化する自営業者は今も多いと思う。自分がこの2つの指標を過去にクリアしたとき、それ以前の申告書や決算書を棚から取り出して、それまで歩んできた道のりを振り返ったものだ。迷走しつつも乗り切ってきたことが数字から見てとれるので読んでいておもしろかった。数字は本当に正直だ。

この世は一筋縄ではいかない。弁護士さんや税理士さんの助けが無ければ、どうなっていただろうと思うことがある。例えば契約書のある条項を削除するよう助言を受けたおかげで、その後に様々な損失を防げたこともある。そんな背景も数字から思い出される。数字は本当に正直である。

2021年の決算書を棚に置いた。2022年はどんな数字で埋まるだろう。

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