ライター、ワインエキスパート【冨永真奈美】

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長すぎる独り言―― 通勤が生むのは「疲労」だけ、在宅ワークの推進、経費負担の交渉は大事

在宅ワークの経費負担を減らす

私は恵比寿にオフィススペースを借りている。対面での打ち合わせがあったので昨日久々に行ってきた。場所も設備も気に入っているのだが、行って帰るだけで2時間30分、それに加え外出準備などで1時間程度はかかってしまう。

混み合う時間帯を避ければよかったのだが、先方の都合で不可能だった。久々にいわゆる通勤時間に電車に乗った。乗った瞬間から人ごみにめまいを覚えた。「ヒールなんか履くんじゃなかったな」と心の中で愚痴った。帰宅後、体に強い重だるさが残った。

通勤などの移動時間によって起こるのは、「疲労」だけなのではないかとあらためて思ってしまった。

そうした時間を減らすほうが、人間の思考や健康に良い影響をもたらすのではないかと思う。移動中に本を読んだり勉強したりなどすればいいという意見もあるだろうが、疲れた体で混雑した状況で周囲の人に気を使いながらどれだけ頭に入るのか。

コロナ禍を受けて、在宅ワークやリモートワーク(テレワーク)へのシフトが進んでいるという。「絶対出社」が緩和されたら、通勤時間が減るし働く場所をある程度選べるから良いことだと思う。

でも私のような自営業はなんだか心配になってしまう。在宅ワークなどの働き方に必要な経費や設備を、すべての雇用者がすべての該当する被雇用者(雇用形態問わず)に対して適切に負担するのだろうかと。通信費、備品、水道光熱費、賃貸料・・・・・・いろいろな経費がかかるようになるのだ。自営業はこうした経費を最初から見込んで会計処理をしたり、サービス価格に反映させたりなどできるのだが、いわゆるお勤めの人はそうではない場合が多いだろう。通勤時間が減ったのはいいが、経費負担に悩む人が増えることにならなければいいなあと思う。と思ってちょっとググってみたら、やっぱり。経費を誰がどのように負担するかについて議論が高まっているようである。

経費負担に不満を抱えている人は交渉することを勧める。私はロスジェネなので、「こんな時代になったんだからしょうがない。自分でがんばって」と放っておかれる不安についてはよく知っている。何事も過渡期にはメリットもデメリットも満載だとは思うが、被雇用者、特に立場の弱い雇用形態の人々の負担が増えないことを願うばかりである。

追伸1:経費負担だけでなく、さらなる仕事量に悩む人が増えないことを願う。「退社」という区切りが無くなると、エンドレスと勘違いする上司や同僚がいるのでは?

追伸2:移動時間に関して補足。車の自動運転も早く進化してほしい。車の運転は基本的に、タクシーなどの運転手、車愛好家、そしてレーサーなどのプロやそれに準ずる人々に任せればいいんじゃないかと思っている。

追伸3:「それなら恵比寿のオフィススペースは不要なのでは?」と思われたと思う。まあそうだがとにかく便利なのだ。対面での打ち合わせや、とにかく誰にも邪魔されずに仕事や勉強をしたいときもあるからである。別に毎日行く義務はないので、コロナ禍になってからもそのままキープしている。

通勤は疲労を生む

 

 

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