【ジャム・セッション 毛利悠子展】
科学的アプローチでつくり出される遊び心あふれる不思議な世界
「ジャム・セッション 石橋財団コレクション×毛利悠子—ピュシスについて」(アーティゾン美術館、2024年11月2日 – 2025年2月9日)に関する記事を執筆しました。
「ジャム・セッション」とは音楽のジャム・セッションのようなもので、毛利さんと他のアーティストたちが作品を通して共演するというアート展です。作品同士が奏でる調和や化学反応を五感で感じ楽しみながら鑑賞できます。
毛利悠子さんは、第60回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展(2024年)日本館代表に選ばれるなど、ワールドカップやオリンピックレベルの世界に名だたるアーティストです。(一度お会いしたかったので、すごくうれしかったです)
「他のアーティスト」とは、モネ(1840–1926)、マティス(1869–1954)、マルセル・デュシャン(1887–1968)といった美術史に名を刻む巨匠たちのことです。日本からは藤島武二(1867–1943)という名画家が参加。石橋財団コレクションにはこれらのアーティストの作品が含まれており、毛利さんとキュレーターが共同でコレクションから作品を選定し、時間も空間も超えたダイナミックな展覧会をつくりあげました。
この記事が掲載されているのは「マドモアゼル・ユリアとよりみちアート」というコーナーです。このコーナーでは、マドモアゼル・ユリアさんの目線を通して、さまざまなアートやアーティストを紹介しています。ユリアさんはヴェネチア・ビエンナーレでも毛利さんの作品を鑑賞したとのことで、今回は毛利さんの解説を聞きながら、あらためてその独自の世界観に魅せられているようでした。
毛利悠子さんは、ほんとうにすご~くおもしろい方です。取材ということもあり、一般公開前に毛利さん自らの解説を聞きながら鑑賞するという機会に恵まれたのですが、その解説自体がもはやトークショーのような軽妙さでユーモアたっぷり!おもしろいのなんの。書きながら一人で思い出し笑いばかりしていました。はたからみれば、私、相当変な人だったろうと思います。
後日、展覧会を再訪した際には、外国人が来場者の半数を占めているのを見ました。観光客や美大生、現役アーティストと思われる人々も多く、毛利さんの国際的な知名度の高さを肌で感じました。みなさん、「これどういうロジックかな?」とばかりに、仔細に観察していましたよ。
会場では、アーティスト同士の対話や作品を通じた新たな発見が至るところで起こっているように思え、この「ジャム・セッション」の意図するものが確かに具現化されていると実感しました。
2月まで開催しているので、ぜひ鑑賞してみてくださいね。
その前に、こちらからぜひお読みください。
「ジャム・セッション 石橋財団コレクション×毛利悠子—ピュシスについて」
開催期間:2024年11月2日(土)〜 2025年2月9日(日)
開館時間:10:00〜18:00(毎週金曜日は20:00まで)*入館は閉館の30分前まで
休館日:月曜日(11月4日、1月13日は開館)、11月5日、12月28日〜1月3日、1月14日
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