小豆島について、いつか書きたいと思っていた。
香川県小豆島の記事をいろんな媒体で読むたびに、「その島のこと書くなら私じゃないかなあ」などと心の中でブチブチ思っていた。思い続けていれば実現するものである。
しかも、美酒に酔い、美食に舌鼓を打ち、美観を堪能するクルーズだ。飛鳥Ⅱの美味な食事を毎日朝昼晩3度味わい、しかも日中はおやつやスナック、夜はバルメニューまで楽しめる。スペシャルトピックはカクテル1dayフリーパスの紹介とくる。
カクテル1dayフリーパスとは1日飲み放題のこと。こうなると、いつも以上に飲んで食べて、「仕事とはいえ、またやっちゃった」と激しく後悔しつつ下船することになるかなあと思っていた。
飛鳥Ⅱ広報のAさんはニコニコこう言う。
「クルーズではデッキでウォーキングやランニングしたり、ジムで運動したりしながら、健康的に過ごすことができるんですよ。ビュッフェではヘルシーメニューも豊富です。本クルーズでは、小豆島のオリーブや徳島のハモやスダチなどの寄港地名物をふんだんに使った美味で健康的な料理も出ますしね」
ごもっともである。特に飛鳥Ⅱの食事1人前は至極適量、多くの場合非常に抑え目、足りなければ何度かお代わりしてねというスタンスである。飲みすぎ食べすぎはまったくもって自己責任なのだ。
クルーズツアーデスクのBさんは諦め気味にこう言う。
「今日こそはサラダだけにしようと誓うんですよ。でも(スタッフ用)ビュッフェを前にすると、そんな誓いどっかに吹っ飛びますけどね」
そしてインタビューしたソムリエのCさんはこう言う。
「実のところ、あまり飲まないソムリエやバーテンダーは多いのですよ」
Bさんに激しく共感しつつ、Aさんのつぶらな瞳に心がゆれ、Cさんの言葉で決意した。
今回はあんまり酔わずに美酒に酔い、あんまり食べ過ぎずに美食を堪能するのだと!
カクテル1dayフリーパスには、ノンアルコールカクテルも含まれている。ノンアルとアルコールカクテルを試す杯数と配分を最初に決めて厳守、おやつは取材で必要と思われる分だけ食べる。(そう言ってるはしから、もう食べたから食べなくてよい飛鳥Ⅱオリジナルもなかを2つも皿に盛ってしまった。月餅とチョコケーキと桃ゼリー生クリーム添えも。だっておいしいもんね)
デッキを歩いたり走ったり、エレベーターの代わりに階段を使ったり・・・・・・
周囲は大海原だ。
ほんとうに絶景だ。
視界を遮るものが何もないパノラマの海景色なのだ。
蚊もいないし、信号もないし、クンクンなついてくるワンちゃんもいない。ほんとに海だけ。
なるだけ健康的に過ごそうと努めた結果、下船日の今日、いつものその日よりも体の調子がかなり平時に近いと思う。美味しいお酒や食事を楽しみながらも、健康的に過ごすことはできるのだ。
ちなみに小豆島には世界最高齢の女性がいる。さすがは日本の地中海と言われる場所だけある。そして徳島は、日本全国の健康生活習慣実行力ランキング第1位を誇る県である。
なにが健康の秘訣なのか。住人の方々に聞いてみたところ、こんな言葉が返ってきた。
「・・・・・・そんなこと考えたこともなかった。普通に暮らしとるだけよ」
オリーブやハモやスダチを食生活に積極的に取り入れる価値はありそうである。
記事はWEB CRUISEで12月末にリリースされる予定である。ぜひ読んでくださいね。
追伸1:
故橋田壽賀子氏の名が、飛鳥Ⅱ1000days Milageのゴールドプレートに記されていた。世界一周クルーズに乗船中も脚本を書いていたそうだ。朝の連ドラによれば、40代に入るまでヒット作に恵まれず質素なアパートに住んでおられたらしい。何度も世界一周クルーズに乗りつつ、人気ドラマの脚本を生み出すなんて並外れたサクセスストーリーだと思う。
追伸2:
『マツコの知らない世界 豪華客船スペシャル』に出演した上田寿美子氏は、世界でもっとも有名な日本人クルーズジャーナリストである。今回ご一緒した数誌の取材班は、上田氏と船上で会ったことがあるそうだ。「クルーズ界で重鎮のジャーナリストですよ」と言う。私は最初のクルーズ記事を書く前に、上田氏の著書や手に入る記事をすべて読んだ。躍動感あふれる文章に魅せられた!いつか船上でお会いしたいものである。